第1回北海道バンドミュージックキャンプ(HBMC2013)開催報告

 5月4日~6日の3日間、記念すべき第1回目となる「北海道バンドミュージックキャンプ」がホテルさっぽろ芸文館、ニトリ文化ホール、市立札幌大通高校を会場に開催されました。
 今回が初の試みであり、また全国でも例を見ないこのミュージックキャンプに全道各地から120名の高校生が集まりました。1、2日目の合奏講座の講師には、国立音楽大学名誉教授の大阪泰久先生、バンドディレクターで作編曲家の宍倉晃先生、北海道教育大学教授の阿部博光先生、そして、当連盟理事長で東海大学付属第四高等学校吹奏楽部顧問の井田重芳があたりました。3日目は、札幌交響楽団の首席奏者を中心に各楽器別の実技講習がおこなわれました。

 1日目の午後はホテルさっぽろ芸文館の2つの大宴会場を会場にA群B群の2つのバンドにわかれ、最初の講座となる宍倉・井田両先生による「合奏の基礎練習」がおこなわれました。各楽器の基本奏法とチューニング方法にはじまり、ユニゾン・ハーモニー・スケールを活用した基礎合奏の実践方法などを詳しく、時に熱く指導していただきました。夜の講座は、A群が大阪先生の指揮でA・リードの「シンフォニック・プレリュード」と今年度課題曲である「エンターテインメント・マーチ」、B群が阿部先生の指揮で同じくA・リードの「第三組曲」より“パ・ドゥ・ドゥ”“風変わりなポルカ”と「エンターテインメント・マーチ」を題材に「楽曲を用いた合奏練習」がおこなわれました。A群の合奏では大阪先生の深い音楽感と音楽に対する熱い思い、そしてそれに対応する受講生たちの集中力が会場に独特の緊張感をもたらしました。聴講する我々もその雰囲気に吸い込まれ、あっという間の2時間半の講座になりました。一方の阿部先生の講座では、リード作品の音楽的特徴と3拍子を演奏する上での留意点などの詳しい解説、そして課題曲では、メロディーに阿部先生オリジナルの「歌詞」をつけ、アンサンブルに役立てるという新鮮な講座は、生徒たちにとって最高のプレゼントとなりました。

北海道各地から120名の高校が集結!

宍倉先生による合奏の基礎練習(A)

井田理事長による合奏の基礎練習(B)

合宿の楽しみ…食事タイム!

それは、大切な交流の場でもあります

♪ニトリホール〜名作詞家の阿部先生

”伝える音楽”の大切さを学んだ

情熱あふれる大阪先生に受講生は釘付け

音楽の緊張感とその奥深さを表現しよう

 2日目は、A・B群がそれぞれニトリ文化ホールとホテルさっぽろ芸文館にわかれ(午前と午後で入替え)、それぞれ楽曲を用いた合奏練習と基礎合奏がおこなわれました。ホールでは椅子のセッティングや舞台上での振る舞いも含めた講座もおこなわれ、前夜にも増して充実した熱心な練習が展開されました。
 そして、この日の夜は参加者全員がホールに集合し、講師による演奏とお互いのバンドの発表会、そして合評会がおこなわれました。はじめに合奏の講師でもある阿部先生によるフルートの独奏、翌日各楽器別実技講習の講師である札幌交響楽団の金管五重奏による演奏が披露されました。受講生にとっては目の前で聴くプロの本物の音とその迫力に感動と刺激を受けた様子でした。
 休憩の後は、いよいよこのキャンプの集大成である受講生たちによる演奏発表です。先にB群が阿部先生の指揮で、第三組曲とマーチの2曲、そしてA群が大阪先生の指揮で、シンフォニック・プレリュードとマーチの2曲をそれぞれ演奏しました。どちらのバンドもこの2日間で学んだすべてを出しきった素晴らしい演奏となりました。さらにはプログラムには予定されていなかった、A・B両バンド合同によるマーチを宍倉先生の指揮で演奏されました。会場全体が大きな感動に包まれる中、演奏会を終えることができました。最後に各講師の先生方から講評をいただきこの日の日程を終えました。

見栄えも大切、ステージセッティング

一人一人の奏法チェックとチューニング

合奏の基本、ゆっくり丁寧に

ホールリハで更に熱く、熱く

夜の発表会に向け、最終仕上げ

ホールは楽器!入念に響きをチェック

レッスンに演奏に、大活躍の阿部先生

究極の響き!札響の金管五重奏!

圧巻の全員合奏は宍倉先生の指揮で!

 キャンプ最終日となる3日目は市立札幌大通高校とホテルさっぽろ芸文館にわかれ、札幌交響楽団の首席奏者を中心に世界で活躍するプロの演奏家を講師に招いての各楽器別の実技講習がおこなわれました。受講生たちは日頃の楽器や演奏に対する悩みなどを直接、プロの奏者に聞くことのできる貴重な機会に得るものは大変多かったようです。

ピッコロクラス

オーボエクラス

ファゴットクラス

サクソフォンクラス

トランペットクラス

ユーフォニアムクラス

バストロンボーンクラス

コントラバスクラス

パーカッションクラス

 こうして北海道吹奏楽連盟として初めての試みとなる「第1回北海道バンドミュージックキャンプ」は無事に終了することができました。特に主催者側としては、体調を崩す受講生が一人もいなかったことが何よりも驚かされました。もちろん、健康管理、安全対策を講じ、看護師も帯同させておりましたが、看護師のお世話になった受講生は、一人も出ませんでした。この自己管理の素晴らしさからも、受講生のこの講習会に臨む意気込みと意識の高さが覗えました。
 忙しい中を駆けつけてくれた講師の皆様方、会場としてご協力いただいたホテルさっぽろ芸文館、ニトリ文化ホール、市立札幌大通高校の皆様方、加盟団体や協賛団体の皆様方、そしてこの講習会にご理解とご協力をいただいたすべての皆様方に感謝申しあげます。ありがとうございました。また、今回の反省をもとに、第2回目のキャンプの開催を目指し、連盟役員一同準備を進めていく所存でおります。これからもこのキャンプを温かく見守っていただけることを切に願っております。

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