第2回北海道バンドミュージックキャンプ(HBMC2014)開催報告

 3月30日~4月1日の3日間、第2回目となる「北海道バンドミュージックキャンプ」がホテルさっぽろ芸文館、ニトリ文化ホール、市立札幌大通高校を会場に開催されました。
 前回に続き、全国でも例を見ないこのミュージックキャンプに全道各地から125名の高校生が集まりました。今回は当初より定員を120名に設定し、道内のリーダー性ある高校生を募集しました。当連盟に加盟する高校への案内に加えて、当連盟のホームページに実施要項等を掲載し、1月31日から募集を開始しました。申し込み方法は昨年同様で、それぞれのパートに定員を設け、ホームページにリアルタイムで申し込み状況を掲載し、応募者はそれを見ながらファックスで申し込むという方法をとりました。定員はパートによっては2名というところもありますが、昨年の反響もあってか、申し込み開始から早々と応募者が集まり、僅か2週間程でほぼ定員数の希望者を受付し、最終的には合計で125名を参加させることができました。参加者の多くは、前回に引き続き函館、釧路、網走と札幌から300㎞以上も離れた地域から集まり、このキャンプがより一層有意義なものであると実感致しました。
 プログラム内容は昨年と概ね同じ内容ですが、今回はメインディレクターに大阪府立淀川工科高等学校名誉教諭の丸谷明夫先生(全日本吹奏楽連盟理事長)をお招きし、合同演奏の指揮と講演をお願いいたしました。そして、もう一人のメインディレクターであるバンドディレクターの中村俊哉先生と当連盟理事長で東海大学付属第四高等学校吹奏楽部顧問の井田重芳には基礎合奏講座と楽曲講座で、125名の受講生をA群・B群の2つの合奏群に分けての合奏講習をご指導いただきました。

 このキャンプ最初の講座となる1日目の午後は、市立札幌大通高校とホテルさっぽろ芸文館にわかれ、札幌交響楽団の首席奏者を中心に世界で活躍するプロの演奏家を講師に招いての楽器別実技講習がおこなわれました。受講生たちは日頃の楽器や演奏に対する悩みなどを直接、プロの奏者に聞くことのできる貴重な機会に得るものは大変多かったようです。
 その後、ホテルさっぽろ芸文館を会場とした夜の講座では、A群・B群の2つのバンドにわかれ、中村・井田両先生による「合奏の基礎練習」がおこなわれました。中村先生からは、練習場所の環境作りにはじまり、各楽器の基本奏法とチューニング方法、ユニゾン・ハーモニー・スケールを活用した基礎合奏の実践方法などを詳しく、時に熱く指導していただきました。

今年も始まりはここから…北海道各地から125名の高校生が集結!

プロの響きを間近で!

チューバとは?熱い時間が流れていました!

音のイメージを大切に!

まずは大事なセッティングから!

少人数で丁寧に教えていただきました!

いつも優しい笑顔の中村先生!

笑顔は優しく、音には厳しく…

四校サウンドの秘密が…?

 2日目の午前中は、前日に引き続きA・B群にわかれ、基礎合奏と楽曲を用いた合奏練習がおこなわれました。前夜にも増して充実した熱心な練習が展開されました。そしてその日の午後と夜は、新しい試みとしてニトリ文化ホールでの講座を一般公開し、夜の部では、前半にA群・B群・合同での成果を発表する演奏会を、後半では丸谷先生に「K点を超えて」と題してご講演いただきました。丸谷先生は、ご自身の生い立ちを含めながら、これまでどんな困難に出会っても全て真心で乗り越えてきたことや、音楽に参加することの尊さ、自主性を持つことの大切さ、など、ユーモアあふれる口調で聴講者に語りかけてくださり、会場が感動で湧き上がっているのが印象的でした。

会場をホールに移し、気合いの入った合奏講座その1

会場をホールに移し、気合いの入った合奏講座その2

いよいよ登場!丸谷先生!

参加者全員による合同合奏講座!指揮はあこがれの丸谷先生!

A群の指揮者、井田先生!

B群の指揮者、中村先生!

ユーモアあり、涙あり…丸谷先生の講演に会場は感動

合奏講師集合!

参加者全員による集合写真!

 キャンプ最終日となる3日目の午前は受講生を対象とした「マルちゃんの高校生吹奏楽講座」と題しQ&A形式の講座を行い、受講生は斬新でとてもユニークな丸谷先生の発想に大いに沸き、大いに成果のある講座となりました。

マルちゃんの高校生吹奏楽講座

Q&A形式による講座

日頃の悩みを直接、丸谷先生にぶつけます

丸谷先生と1対1で語りました。これは貴重な体験…

どんな質問にも親身になって答えていただきました!

あこがれの丸谷先生の言葉に感動

 こうして「第2回北海道バンドミュージックキャンプ」は無事に終了することができました。またこのキャンプをとおして、高校生の潜在能力を引き出すことこそが、我々吹奏楽連盟に携わる者の責任であると改めて思い知らされました。「子どもの心に良いものを与えることで、将来それが還元される」という正にリーダー育成としてのこのキャンプの存在が大変意義深いものと確信した3日間でもありました。
 忙しい中を駆けつけてくれた講師の皆様方、会場としてご協力いただいたホテルさっぽろ芸文館、ニトリ文化ホール、市立札幌大通高校の皆様方、加盟団体や協賛団体の皆様方、そしてこの講習会にご理解とご協力をいただいたすべての皆様方に感謝申しあげます。ありがとうございました。また、今回の反省をもとに、第3回目のキャンプに向けて、連盟役員一同準備を進めていく所存でおります。これからもこのキャンプを温かく見守っていただけることを切に願っております。

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