平成28年度吹奏楽指導者研修会開催報告

 毎年恒例の道吹連・吹奏楽指導者研修会が、12月10日㈯北海学園大学を会場に今年も開催されました。
 講師には、北斗市立上磯中学校吹奏楽部顧問の中條淳也先生をお迎えしました。当日は、1・2年生から選抜された45名もモデルバンドとして参加してくださいました。
 中條先生は木古内町立木古内中学校吹奏楽部顧問として東日本学校吹奏楽大会に3度出場し2度の金賞受賞。2013年より北斗市立上磯中学校吹奏楽部顧問として全日本吹奏楽コンクールに3度出場し3度の金賞受賞。2016年、第47回日本吹奏楽指導者クリニックではウェルカムコンサートと講座を担当されました。

 午前中は、まずはじめに「ミニコンサート」と題し、F.フェランの「キリストの受難」やC.コリアの「スペイン」など約20分間にわたり4曲の演奏が披露されました。とても新体制発足後1ヶ月あまりの1・2年生とは思えない、明るくストレートで迫力のあるサウンド、そして質の高い綿密なアンサンブル技術に、受講生された多くの先生方は圧倒され、その顔には感銘の表情にとどまらず、驚愕の表情すら浮かんでいました。
 その後の「講習Ⅰ:運営編」では中條先生のきさくな人柄と親しみやすい軽妙な語り口で日頃の練習内容や運営の工夫などをお話しいただきました。普段は担任業務や教科指導(中條先生は数学科の教員)、分掌業務もこなすなかでの部活動指導についてのお話などは、参加された先生方にとっては、より現実的で興味深く、参考になるような内容だったのではないでしょうか。

 昼食後の「講習Ⅱ:指導編」では再び、上磯中学校吹奏楽部に登場していただき、実際に音を出しての講習がおこなわれました。あえて「あまり練習しない」で用意していただいたという楽曲(アラジン・メドレー)をどのように練習して仕上げていくか?を中心に講義いただきました。指導法で特徴的だったのはバンドを3つのグループに分けて(練習の段階で2つの時もある)合奏するという方法でした。例えば3つのグループをA,B,Cに分けて、Aが演奏している時はBが聞いてアドバイスをする。その時、Cは個人練習。それをローテーションしながら繰り返していく…というものです。目的は少ない人数で演奏することで大人数では埋もれがちになる自分の音色や演奏に対して責任が生まれ、また人の演奏を客観的に聞いて分析することで自分の演奏も改善していく…などです。実際にその方法で練習を披露していただきました。生徒たちは他のグループが演奏した後すぐに同じパートや同じ動きをする他のパートのメンバーに自由にアドバイスをしていきます。このパターンを数回繰り返すことでバンドの音がどんどん変わっていきます。受講された先生方にとっては目の前で変わっていくバンドの音に今後の指導のヒントを得ることができたのではないでしょうか。

 当日は、この冬一番の大雪となり交通機関の乱れもみられた札幌でしたが、全道各地から約100名の先生方が熱心に研修を深められました。ご参加の先生方、会場校の北海学園大学のスタッフの方々、そして講師の中條先生と北斗市立上磯中学校吹奏楽部の皆さん本当にお疲れさまでした。平成29年度も同じ時期に開催を予定いたしております。たくさんの皆様方の参加をお待ちしております。
 なお、講習会終了後に催された中條先生を囲んだ懇親会の席でも講習会に匹敵するような内容の濃いお話(中條先生の野球部監督時代の秘話?)も聞かれるなど終始充実した内容になったことを付け加えさせていただきます。次回はぜひ懇親会にも多くの先生方の出席をお待ちいたします。

アンケート集計結果はこちら

中條淳也先生!

迫力の上磯中学校サウンド!

受講者の真剣なまなざし!

グループ演奏チェック!

お互いの演奏を確認!

中條先生、上磯中学校のみなさん 1日ありがとうございました!