徳島県吹奏楽連盟の歩み
- 結成の経過
- 昭和2年、徳島市徳島高等小学校に御大典記念として約20名編成のブラスバンドが誕生し、後に編成を拡大して徳高バンドの愛称で親しまれた。これと前後して北島北小学校(24名)・県立工業高校(18名)・職場に徳島専売局バンドが編成され、昭和14年に交換演奏会を催した。また、満州事変当時よりラッパ鼓隊が編成され、中でも富田小学校は優れた演奏をした。
- 昭和15年、大日本吹奏楽連盟・全関西吹奏楽連盟に加盟して徳島県吹奏楽連盟結成の運びとなった。当時の役員は、会長 原菊太郎(徳島市長)、理事長 川井能之(徳高バンド)、井沢三樹(徳島市厚生課)、井上一郎・藤村一夫(NHK)、角山正一(徳島専売局吹奏楽団)、岡敬人(徳島工業バンド)、川人利夫(久千田小学校)の諸氏であった。この年初めて吹奏楽講習会がNHK広場で開催された。また、市役所前で徳島県連盟結成記念演奏会及び分列演奏行進が行われ、大阪松下電器歩一会吹奏楽団の記念演奏で華を添えた。
- 推移と活動状況
- 昭和15年には徳島高等小学校吹奏楽団が全関西コンクールに参加(当時小学校は1校のみ)し、優秀賞を受けた。当時の徳島県連盟加盟団体は、吹奏楽・ラッパ鼓隊を含めて10団体となり太平洋戦争終結まで吹奏楽活動は絶えることはなかった。
- 昭和20年、徳島市は米軍の空襲により楽器はすべて消失した。わずかに市外の団体の楽器は消失は免れたが、連盟活動は一時中止のやむなきにいたった。
- 昭和22年の学制改革により、新制中学校・高等学校となり、県連の活動も復活した。会長 妹尾芳太郎(徳島市長)、理事長 川井能之(城西中学校)、常任理事 吉野正(徳島市厚生課長)、大西正義(社会教育課)、藤村一夫(NHK)、植田徹男(県立工業高校)、角山正一(徳島専売局)
- 昭和25年3月、天皇の民情視察を西の丸(現徳島市体育館)にお迎えする。
- 昭和27年、徳島市富田中学校に吹奏楽部が誕生(撫養光男)し、本格的バンドとして急速に成長し、県下及び四国の吹奏楽の活性、レベル向上に寄与した。
- 昭和30年9月、第2回徳島県学校器楽コンクール(主催 県教育委員会・県音楽教育連盟)が開かれ、合奏の部において城西・富田両中学校ともに第1位となる。課題曲は行進曲「トム・タフ」。
- 昭和31年、徳島市民楽団誕生。第3回県学校器楽コンクールでは、合奏の部で富田中学校(撫養光男・40名)が第1位となる。また、この年全関西吹奏楽コンクールに、城西中学校(川井能之・45名)が参加して第3位に入賞。(このときまで徳島県吹奏楽連盟加盟団体は、関西連盟に所属していた。)
- 昭和32年、四国吹奏楽連盟が誕生。事務局を徳島市八百屋町、朝日新聞社徳島支局(事務局長・撫養光男)に置き、連盟発足記念行事として徳島市において四国吹奏楽連盟及び朝日新聞社主催により、四国4県合同の市中パレードと記念演奏会が行われた。また、これを機に、県吹奏楽連盟も新しく結成され、活動も次第に活発となった。加盟団体数は、小学校1、中学校19、高等学校5、職場・一般9の計34団体である。内訳は次のとおり。
- 小学校 1 新町
- 中学校19 徳島、徳大附属、富田、城西、坂野、名東第一、板野、鴨島町第一、高浦、神領、椿町、大野、富岡、脇町、江原、穴吹、日和佐、牟岐、鳴門市第一
- 高等学校5 徳島商業、城北、城南、県立水産、阿波
- 大学 1 徳島大学
- 職場 4 東邦レーヨンKK、日本専売公社徳島工場、国鉄徳島運輸部、徳島県警察本部
- 一般 4 天理教青年会国光分会、富田中学校OB、城西中学校OB、徳島市民音楽団
この年、第1回四国コンクールが高松市で開催され、中学校の部で富田中学校吹奏楽部が、また一般の部で天理教青年会国光分会が優勝し、全日本コンクールに初出場の栄冠を獲得した。徳島県連盟は当時事務局をNHK徳島放送局に置いていたが、のちに富田中学校、八万中学校、加茂名中学校と変遷し、理事長も昭和32〜43年の間に川井能之(八万中)、馬木芳雄(教育委員会)、荒井孝正(教育委員会)、近藤哲司郎(徳大教授)、佐藤雄四郎(中学校長)、石井茂一(中学校長)と受け継がれ、事務局も撫養光男(富田中)、太田一(加茂名中)の諸氏がこれにあたった。
- 昭和34年、徳島市にて四国吹連主催の皇太子御成婚記念奉祝市中大行進ならびに演奏会が、高知・香川両県の参加を得、盛大に行われた。
- 昭和38年夏、県吹奏楽連盟主催による第1回交換発表会を徳島市富田中学校で開催、県下より各郡市代表11団体、450名が参加しそれぞれの熱演を披露した。
- 昭和39年、第5回全日本学校吹奏楽研究協議会が、同研究会主催で文部省・徳島県教育委員会・徳島市教育委員会・四国及び徳島県吹奏楽連盟の後援にて、夏休みの3日間、徳島市を中心に盛大に行われ、全国の学校吹奏楽指導者並びにサマーキャンプ参加の高校生多数が参加し、研究発表、実技講習、秋山紀夫・石井歓両講師による講習、また今津中学校吹奏楽部の招待演奏、協議会など有意義な研究会を終えた。
- 昭和46年、四国で高校総体が行われ徳島県鳴門陸上競技場における開会式には、県連盟加盟の中・高バンド約800名が参加し式典を盛り上げた。
- 昭和46年以降、毎年吹奏楽トップコンサートを催すことになる。また、48年に理事長 撫養光男が着任し、管楽器によるアンサンブルコンテスト活動の促進のため、第1回アンサンブル・コンテストを催し、70余りのチームの参加を得た。(以後毎年2月に開催される)
- 昭和48年、全日本吹連が社団法人となり、四国吹連は全日本の支部となる。従って県吹連も四国支部の中の県連盟となる。役員は理事長 岩崎哲(中学校長)事務局長 糸谷安雄(富田中)の新メンバーで連盟推進のため種々講習会を開催した。
- 昭和51年度より加盟団体の増大により、トップコンサートは全日本吹連の主唱する吹奏楽の日にあわせて催すことになり、県内3地区に分け、東部・西部・北部の各地で終日実施され、文字どおり吹奏楽の日として生まれ変わった。また、この年社団法人となって初めて四国吹連コンクールを徳島市で開催する運びとなり、四国各県より多数の参加を得、徳島県より7団体が参加した。
- 昭和52年度理事長 撫養光男が勤務地の都合により辞任し、島幸良(佐那河内中)を理事長に、事務局 糸谷安雄、常任理事 岡本恵美子・中島昌江、西田深春・原田裕子の諸氏で連盟活動を啓培することになった。新しくは昭和52年度四国コンクールに城南高校が初出場し、金賞を得た。また、富田中学校は四国コンクール開始以来24回のうち20回まで四国第1位となり、そのうち55年度の全国コンクール(秋田大会)では金賞を受賞するなどの活躍をした。
- 昭和54年、理事長は内藤皓善(中学校長)となり県吹連規約の整備に取りかかる。組織を合理化して仕事の分業の図り、能率アップによって連盟の機能向上を目指すことを目的に吹奏楽コンクールを第1事業部、アンサンブルコンテストを第2事業部、講習会関係を第3事業部として新たに発足した。その後、理事長は斉藤先先(中学校長)、忠津幸生(中学校長)と交代してそれぞれ連盟の発展に努力した。連盟発足以来、幾度かの困難と障害を乗り越えて今日の発展をもたらしたのは歴代役員の熱意と努力のたまものである。
- 昭和60年、理事長 久木吉春(徳島市教育長)になる。
- 昭和63年、マーチング部門の第4事業部を加えて今後の躍進のために尽力するつもりである。
- 「全日本吹奏楽連盟50年史より(発行:全日本吹奏楽連盟)」 文責:当時 徳島県吹奏楽連盟理事長 糸谷 安雄
- 平成に入って
- 1991年(平成3年)理事長 浅野 司郎(当時,林崎小学校校長)になる。
- 1994年(平成6年)理事長 糸谷 安雄(当時,木頭小学校)になる。
- 1995年(平成7年)理事長 川人 伸二(徳島文理大学教授)になる。
- 2000年(平成12年)理事長 糸谷 安雄(当時,富田中学校校長)になる。
- 2000年(平成12年)連盟公式ホームページの運営が開始される。
- 2001年(平成13年)規約や内規の整理を行う。
- 2002年(平成14年)8月3日(土),4日(日) 吹奏楽コンクール50回を記念し,3日(土)グレイス・ブラス・アンサンブルの招待演奏,4日(日)に一般部門出場団体による合同演奏を行う。
- 2003年(平成15年)財務部が加えられ,各事業部の会計の統一を図る。
- 2003年(平成15年)5月11日(日) 第1回四国吹奏楽バンドフェスティバルが香川県で開催され,BMSウインドアンサンブルが出演。(隔年開催へ)
- 2004年(平成16年)8月3日(火)第28回全国高等学校総合文化祭〜吹奏楽部門〜が徳島(鳴門市文化会館)で初めて開催される。
- 2006年(平成18年)会長 糸谷 安雄(当時,徳島文理大学講師),理事長 松浦 孝憲(当時,富田中学校教頭)になる。
- 2006年(平成18年)5月13日(土),14日(日)大阪市音楽団の演奏会を招致,企画,運営。演奏会は徳島市立文化センター,講習会は富田中学校で開催。
- 2007年(平成19年)昨年に引き続き,6月23日(土),24日(日)に大阪市音楽団の演奏会を招致,企画,運営。演奏会は徳島文理大学むらさきホール,講習会は富田中学校で開催。
- 2007年(平成19年)10月27日(土)第22回国民文化祭・とくしま2007 吹奏楽の祭典が徳島文理大学むらさきホールで開催される。
- 2009年(平成21年)5月24日(日)徳島県吹奏楽連盟創立70周年記念式典をホテルグランドパレス徳島にて挙行される。
- 2009年(平成21年)5月29日(金)・30日(土)ホテルクレメント徳島において全日本吹奏楽連盟総会が開催される。
- 2009年(平成21年)8月2日(日)徳島県吹奏楽連盟創立70周年記念事業の一環として,吹奏楽コンクール徳島県大会にて一般部門出場団体による合同演奏を行う。
- 2010年(平成22年)5月23日(日)徳島県吹奏楽連盟創立70周年記念事業の一環として,“とくしま吹奏楽フェスティバル”があわぎんホール(徳島県郷土文化会館)にて開催される。出演団体はBMSウインドアンサンブル,徳島吹奏楽団,吹奏楽団アババイ。
- 2012年(平成24年)11月4日(日)第27回国民文化祭・とくしま2012 吹奏楽の祭典が鳴門市文化会館大ホールで開催される。
- 2014年(平成26年)5月11日(日)大阪桐蔭高等学校吹奏楽部を招待して,特別演奏会を開催
- 2015年(平成27年)吹奏楽コンクールにおいて,高校生有志における合同演奏を松浦理事長指揮で行う。参加校は県立城南高等学校,県立城ノ内高等学校,県立徳島北高等学校,県立徳島商業高等学校,県立小松島高等学校,県立小松島西高等学校,県立鳴門高等学校,県立鳴門渦潮高等学校,県立脇町高等学校
- 2015年(平成27年)龍谷大学と共催で「吹奏楽フェスタ in 徳島」を開催。6月13日(土)鴨島第一中学校・那賀川中学校において楽器別講習会,14日(日)鳴門市文化会館において演奏会を開催。
- 2015年(平成27年)徳島アンサンブルコンテストの予選を徳島県立鳴門高等学校において行う。(高等学校の部)
- 2016年(平成28年)龍谷大学を招待し,「吹奏楽フェスタ in 徳島」を鳴門市文化会館において開催。
- 2017年(平成29年)大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部を招待し,特別演奏会を鳴門市文化会館において開催。
- 2017年(平成29年)「吹奏楽フェスタ in 徳島」を鳴門市文化会館において開催。
- 2017年(平成29年)茨城県立大洗高等学校マーチング部を招待し,特別演奏会を鳴門市民会館において開催。
- 2018年(平成30年)龍谷大学と共催で「吹奏楽フェスタ in 徳島」を開催。鳴門市文化会館において,6月9日(土)課題曲講習会,10日(日)演奏会を開催。
- 2019年(令和元年)徳島県吹奏楽連盟創立80周年記念行事として,「吹奏楽フェスタ in 徳島」をあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)を会場に二日間にわたって開催。一日目は,職場・一般部門から吹奏楽団アババイ,徳島吹奏楽団,BMSウインドアンサンブルと,招待演奏としてTokushima
Indigoes Drum&Bugle corpsの4団体によるコンサートを開催。二日目は,徳島市国府中学校,徳島市八万中学校,県立名西高等学校,県立城南高等学校の単独ステージと本県出身の三宅孝典先生の指揮で中高生選抜バンドである“すだちバンド”のコンサートを開催。併せて,過去徳島県吹奏楽連盟の運営に尽力された役員の方を表彰した。また,各種大会において,20年以上指揮や奏者として出場された方を表彰した。
- 2020年(令和2年)全日本アンサンブルコンテストが中止となる。
- 2020年(令和2年)新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため,全日本吹奏楽コンクール徳島県大会,全日本マーチングコンテスト徳島県大会,全日本小学校バンドフェスティバル徳島県大会が戦後初めて中止となる。併せて,四国支部大会,全国大会も中止となる。