作曲者から作品に対するエッセイ、および、曲の特徴・解説等
エアーズ
作曲者 田 嶋 勉
曲名「エアーズ」のエアはロンドンデリーエアのエア。曲全体を通して幾つか の歌をうたっているので「エアーズ」とした。曲名を付けるときに念のため インターネットで検索したところ同タイトルは無さそうであり、これに決定。 ただ、1件、空調設備会社で同名のものがあったが、お許し願った。ところで、 昔書いた課題曲に「WISH」というのがあるのだが、最近やたらにこれを耳に するようになり内心、心弾ませていた。が、しかし何てことはなかった、某社 売り出し中の新車名であった。そういえば勤め先の隣にある床屋も「バーバー WISH」だったっけ。 タイトルのことはさておき、とにかく吹奏楽で歌を存分に歌わせてみたかった。 試みに上手くいったかどうか気になるところだが、お聴きになられた方、演奏された 方々に、少しでも気に入っていただければ幸いである。 曲についてのアナリーゼその他解説等はここでは避けるが、ただ1点、冒頭部 グトッケンシュピールについて。この曲はグロッケンのソロで始められる。コンクール 会場、緊張した静けさの中で、たった一人、奏で始めることはとても勇気の要ること だと思うが、じjきにフルートが加わりともに歌をうたい始めてくれるので、ぜひ安心 して演奏してほしい。やがてクラリネットも加わり Tutti へと発展していく。このような 冒頭部のつくりとなっており、ここはゆったりと穏やかな演奏していただければと思う。 最後になったが、こんかい、試奏審査および京都での録音の際、心のこもった すばらしい演奏をして下さった指揮の金洪才氏をはじめ大阪市音楽団の皆様に心より 感謝申し上げこの文の結びとする。 |
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【略歴と主な作品】
田嶋 勉 たじま・つとむ 1961年千葉県柏市生まれ。
東京音楽大学、上越教育大学大学院修士課程修了。
ピアノを笠井一郎、作曲理論を飯島英嗣、後藤丹、
作曲を浦田健次郎の各氏に師事。平成元年全日本
吹奏楽コンクール課題曲公募入選、第12回文化庁舞台
芸術創作奨励賞(合唱部門)特別賞受賞。千葉県教育
研究会音楽教育部会理事、作品集団”風の会”会員
柏市立柏中学校教諭。
主な作品:WISH for Wind Orchestra、交響詩ー
札幌”遙かなるものへの”、打楽器・ピアノと混声合唱の
ための「誕生祭」、フェスティバル賛歌「アンコール」、
混声合唱曲「きみが生まれたとき」「春爛漫」(教育芸術社)
行進曲「再会」(葛飾地区吹奏楽連盟委嘱)など。